解説
つまり、どちらにしても貸した分は期日に返ってくるという証明になるので、どちらにしても会社的には問題ないという事になります。
大山商店は、決算日において実際の有高を確認するため、金庫を調べたところ、以下のものが保管されていた。なお、甲社株式および国債は売買目的で当期中に取得したものであり、国債(額面¥2,000,000)の利払日は6月末と12月末の年2回である。利札に関する処理はなされていない。また、この金庫のほかに現金はない。
[金庫に保管されていたもの]
硬貨 ¥6,000 紙幣 ¥120,000 郵便為替証書 ¥50,000
送金小切手 ¥70,000 他店振出の小切手 ¥80,000
他店振出の約束手形 ¥100,000 郵便切手 ¥22,000
国債(取得原価) ¥1,920,000 期限到来後の国債の利札 ¥30,000
期限到来前の国債の利札 ¥240,000 他店発行の商品券 ¥60,000
甲社株式の配当金領収書 ¥10,000
問1 国債の利札に関する仕訳をしなさい。
国債の利札とは、持ってる国債の金額に対してこれぐらいの利息が付きますよ。という紙です。
難しく書いてますが、ようするに「利息をもらった仕訳をしなさい」これだけです。
そして、期限到来前と到来後ですが、期限が来ていないのに利息だけ先にもらえる。なんておいしい話はありません。つまり、到来後の方のみを仕訳することになります。
問2 問1の処理をした後の現金帳簿残高(現金出納帳の残高欄)は¥375,000であった。実際残高との差額を適切な勘定に振り替える仕訳をしなさい。
長ったらしい問題ですが、現金の実際残高を計算して現金過不足の仕訳をするだけです。
じゃあ、現金になるのはどれなのかが問題です。
1つずつどんな科目になるのか確認していきましょう。
①硬貨・紙幣:現金。これこそ現金そのものですよね。ってことでまとめました。
②郵便為替証書:郵便局に持っていけば現金にしてもらえる紙のこと。持っていくだけですぐに現金にできるので、現金扱いです。
③送金小切手・他店振出の小切手:普段通り現金になります。解説っぽいことをすると、銀行に持っていくと現金にしてもらえる紙のことです。
④郵便切手:郵便を出すときの料金の代わりになるもの。まぁ、普通の切手のことです。これは、他社などと通信するために使うものなので、通信費として扱われます。
⑤国債:国がしている借金をいくらか払いますよ。というものだと考えてもらえればいいと思います。これは、株と同じ扱いになります。つまり、売買目的有価証券 ということになります。
⑥国債の利札:問1で扱ったように、期限到来後は現金になります。期限到来前は、まだ換金できないので計算に含みません。
⑦他店発行の商品券:他の店の商品をお金を払わずに手に入れられるから資産。という説明をしたことがある気がします。ただ、これは「他店商品券」という科目があるので現金にはなりません。
⑧甲社株式の配当金領収書:持っている甲社の株の額に応じて、甲社からお金をもらえる紙。これも銀行に持っていけばすぐ現金にできるので、現金として計算します。
この赤字の部分をたしたものが、現金の実際残高になります。
そのうえで現金過不足の仕訳を行ってください。
問3 問2の差額のうち、¥8,000は水道光熱費の支払いの記帳漏れであることが判明したが、残額については原因が不明である。決算時における仕訳をしなさい。
つまりは、水道光熱費の記帳漏れがあったから、それの記帳と一緒に現金過不足を整理してね。ってことです。
がんばってください。
正解
問1 現金 30,000/有価証券利息 30,000
問2 現金過不足 9,000/現金 9,000
問3 水道光熱費 8,000/現金過不足 9,000
雑損 1,000
未収金 105,000/売買目的有価証券 99,900
有価証券売却益 5,100
1.期中に現金の実際有高が¥15,000過剰であったため、現金過不足勘定で処理していた。本日、決算日につき、その原因として実際に支払った買掛金¥24,000を¥42,000と誤記入していたことが判明した。残額については、不明である。
解説
赤文字の部分を仕訳すると、帳簿上の現金を増やす必要があるので、下のようになります。
現金 15,000/現金過不足 15,000
これを使って、黒字の部分を仕訳します。
まず、現金過不足を減らし、次に問題文にあるように、買掛金を調整します。その残高を、雑損OR雑益にします。
現金過不足 15,000/
買掛金は、実際→¥24,000 誤記入→¥42,000 なので、実際から誤記入を引きます。
その金額が、間違って多めに書いてしまった分ということになります。
現金過不足 15,000/買掛金 18,000
そして、差額が雑損OR雑益です。
現金過不足 15,000/買掛金 18,000
雑損 3,000
正解: 現金過不足 15,000/買掛金 18,000
雑損 3,000
2.販売用の事務机@¥100,000を5台仕入れ、代金のうち¥200,000は先に支払った内金と相殺し、残額は三重商店振出、当店宛の約束手形を裏書譲渡した。なお、仕入れに対する引取運賃¥10,000は現金で支払った。
解説
みんなの間違いポイントは赤字の2か所でした。
まず、販売用の事務机ですが、事務机でも当店では販売用です。つまり、商品として仕入れたということです。
さらに、仕入れた時の引取運賃は、必ず仕入れの金額にプラスすることになっています。
正解: 仕入510,000/前受金 200,000
受取手形 300,000
現金 10,000
4.内容不明であったため仮受金として処理していた当座入金額は、得意先東京商事から商品の注文を受けた際の手付金¥20,000と、同店に対する掛け代金¥178,000(発送費用の立替額¥2,000を含む)であることがわかった。
解説
発送費用を立替えた場合は、掛け代金として返してもらえることになっています。
なので、惑わされずに売掛金を¥178,000にしてください。
正解: 仮受金 198,000/前受金 20,000
売掛金 178,000
5.期中に売買を目的として購入した東京物産株式会社の株式1,000株のうち300株を1株あたり¥345で売却し、代金は月末に受け取ることにした。なお、購入価額は1株あたり¥345であり、購入時に¥5,000の手数料を支払っている。
解説
まず、赤字の部分、売買目的有価証券の手持ち分の計算からです。
1,000×345=345,000
ここまではみんなできていましたが、売買目的有価証券では必ず手数料を金額に足します。
345,000+5,000=350,000
これで、1株あたり¥350になります。
次に、未収金の計算です。
これは、300×345=103,500で終了です。
未収金 103,500/売買目的有価証券 105,000
そして、差額が有価証券売却損OR有価証券売却益になります。
正解: 未収金 103,500/売買目的有価証券 105,000
有価証券売却損 1,500
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